202 光と色の話24(ヴィンターさんのこと)

今回は、福岡で講座をやっていただいた

アレキサンダー・ヴィンターさんのことについて書いてみます。

 

というのも今回のヴィンターさんの講座は

光と色の話そのものだったからです。

今回で、来日4回目(福岡は3回目)の

ヴィンターさんは大の日本好きです。

ドイツでも、厳しいお年寄りの日本人女性に

週に一回日本語を教わっているそうで、

日本にやってきてもひらがなの看板に目を止めては、

あ〜う〜、と字を読もうと試みられています。

一生懸命日本語を使われるので、

たどたどしい日本語がより彼のユーモラスで

気さくなところを引き立てていくようです。

でも、一旦ワークショップに入ると、

とても深いところに入っていって、

色の源泉から何かを引き出してこられる様子は

とても印象深いものがあります。

 

また、よくいわれたのは、

対極を意識するということでした。

絵画の要素の中には、

明-暗、直線-曲線、

はっきりとした境界-ぼやけた境界、

温かい色-冷たい色、などなどの対極する要素がある。

その要素の間の関係性の

バランスを取ることで絵がより生き生きとしてくる、

ということでした。

 

聞くだけでは何のことか難しい感じですが、

実際に絵の中の一部の温かい色を強めることで、

そのそばにあった赤みのある色が急に冷たく見え始めたり、

より暗い色を入れることで、

他の場所に光が生まれたりしました。

そして、変わらないと思っていた色が、

周りの色の変化で、どんなにでも変化していくものである、

という体験をしました。

そして、講座に参加する中で、

ただ暗いだけだった夜の空が

とても深い紫色に輝いているようにみえたり、

今まで何でもなかったものが、

多彩に輝いてみえたり、という体験談を聞いたりもします。

今回の講座で、特に印象に残ったのは

イメージについてでした。

絵を描いていく時点でとにかくイメージを外しなさい

と言われました。

人はもちろんイメージを持って生きていて、

絵を見るときにそのイメージを追うことで

絵の中に何かを探し求める。

でも、絵を描く瞬間、筆を置いた瞬間は、

そのイメージを外して色の世界の中に

自分自身を浸していく、

そして、その色を塗ったことで塗っていない

他の色が変化してくるか、

ということを感じながら、全体の色の中で、

今自分が塗っている色が

どうかかわってくるかを色を使って考えていく。

その行為の中で、

今まで自分のイメージしていなかった

何かが生まれてくるのを待つ、という感じでした。

話はさらに続いていったのですが、

このことはまさに、

シュタイナーの語っているイメージ(表象)

の話と深く結び付いているところがあって、

とても理解が深まった感じがありました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です