209 鏡餅伝説

「どうして鏡餅っていうの?」

「最近、答えられないことが多いよね。」

「ごまかしていることも多そうだし…」

もともと、何にも知らないし…

「いつも偉そうに言うと思うけど…」

そうね、

鏡餅は丸いよね。

そういえば、切り餅文化の関東も鏡餅は丸いよね。

もともと、お餅はお月さまの象徴だと思うんだ。

中国では旧正月をお祝いするとき

月餅というお餅のようなもの(どちらかというとおまんじゅうかな)

をお供えするらしい。まさにお月さまの象徴だよね。

お餅が丸いのも、お餅が白いのも、

鏡と呼ぶのもすべてお月さまとの関係が感じられる。

お月さまが潮の満ち引きの原因になるように、

水にはお月さまの力があふれている。

水は、生き物の中にあふれて生命活動そのものとして働き、

循環している。それぞれの環境に合わせて、

姿かたちを変え息づいている。

私たちの体の中には、そして世界には、お餅があふれているって訳。

「???」

だから、鏡餅は世界の象徴であり、私の象徴でもある。

二段に重なっているのは下は物質的な世界、

身体を現し、そこから足であるウラジロが生えている。

上は胸の領域で間に手となるユズリハが付いている。

その上に太陽の象徴であるダイダイが頭としてのっている。

太陽の光は形と流れの世界と体に温かみと色合いを送り込む。

ちょうど私たちが意識を持って、

いろんなことを感じるように。

冬の景色の中に、春の温かみの元になる光が差し込むように。

そういえば、この鏡餅が生まれたころは

お正月が今の時期ではなくて遅かったんだよね。

今の節分の頃がお正月で、

お正月は春の始まりでもあったんだ。

だから、春の始まりを象徴する鏡餅が今よりもぴったりしていたかもしれないね。

「それって、インターネットで調べたの?」

違う、違う。

そうじゃないか、って考えているだけ。

「何だ、それじゃ眉唾じゃない。」

そう眉唾

眉唾も悪くない。

世界の中心として、世界をうつす鏡として棚の上に鏡餅が鎮座している。

その上からは春の光が世界に向かって放たれている。

それは、私の心の中から。

そして世界の遥かかなたから。

いつも見る、あの木は世界の中心。

あの木は鏡餅。走り回っている犬は世界の中心。

あの犬も鏡餅。そして、私も鏡餅。

お日さまのダイダイは心の中に。

本年もよろしくお願いします。

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