210 年賀状の不思議
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「なに眺めてんの?」

何だと思う?

「どこかの通路?」

そう、飛行機に乗るときの通路

「なんでそんなものを撮ったの?」

なんだか、壁に映っている青い色がきれいだな、って思ってね。

円い窓から太陽の光が入ってきて、それが床に反射してそうなったんだと思う。

自分の撮った写真データを見ていたらたまたま出てきた。

これのもう一枚を今年の年賀状に使ったんだ。

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「こんなのを年賀状にしたの?」

これ、同じ空港の連絡通路、でも帰りの飛行機、前の写真は行きだった。

これは、ちょっと狙ってみた。床に射している窓からの光を撮ってみた。

毎年きれいな年賀状ありがとうございます。ってちょっぴり期待されてたりするんだけど、

ボクとしては、きれいなものより謎かけになる物を探して送っているつもりで、今年はもう一枚の円形劇場の写真にしようかこれにしようか迷ったけど、結局これにした。

みんなから、これいったい何ですか?って反応が来ると嬉しくてね。

「なにが謎かけになっているの?」

「どこの場所でしょうか?って謎かけ?」

いやいや

「光はどこから?」

いやいや

「じゃあ何」?

…言いたくない

冗談

偶然って恐ろしいなあーって思ってね。

色の美しさにひかれて写真を撮りはじめて、気が付くと別のものを撮っていた。

色の美しさはきっかけだった。

床に映った一番手前の光の円を見てごらん。

満月のお月さまのように真ん円じゃない?

床に映った光の円は太陽に対して

斜めの角度で窓から射してくるから光の輪は円じゃなくなるよね。

それが窓と直角の角度の床に射すから更に形が崩れる。

その崩れた形を、更にこちらの手前から

見るから更に更に形が崩れるはずだろう?

それが、よりにもよってきれいな円い形をしているんだ。

あり得る?

ボクとしてはあり得ないんだ。

あり得ない、って頭抱える。

形がどんどん崩れて行っているのに突然もとの形に戻る。

あり得ない。

こんなことが世の中にあっていいものかって思う。

街から離れて森の中にどんどん入って行って、

一番人里離れたうっそうとした場所に着いたと

思ったらそこから街の真ん中に着いた感じ。

「幸せだね?」

なにが?

「そんなことで驚けるから。」

驚いてない!

悩んでいる。

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