222 ハチとクモと鍵の束

前回に入道雲懐かしいって書いたら、

梅雨が明けて、さっそく立派な入道雲が

ニョキニョキでとっても嬉しくなった。

七夕も今年はきれいな星空が見えて織姫や彦星と天の川、

それにはくちょうが空で輝いていた。

それにしても、影の深さはいつも不思議に思う。

梅雨前の影とはうって変わって、

影の中で意識が目覚めていくような影はなぜだろうって思う。

この前驚いたことがあった。

車に乗ろうとして準備しているとき、
ふと、地面に目をやると、
大きなクモがハチの首のところをくわえて這っていた。
ハチはまだ生きているらしく、
くわえられながらも足や首をバタバタさせていた。
かわいそうに、でもこれも自然の摂理なんだよね。
クモだって餌が必要だし…

でも…
ちょっと
と持っていた鍵の束をそばに落とした。
すると、思いもかけないことが…
ハチがするすると後ずさりした。
クモはその場に止まったまま。
事態を把握するのにしばらくかかった。

そして、
クモがハチをくわえていたのではなく、
ハチがクモをくわえていたんだということが判明。
クモを手で押してみるとくるっとひっくり返ったまま動かなかった。
ジバチが針の毒で麻痺させたクモを巣穴に運んでいる途中だったんだ。
もし、自分が鍵を落とすという行為をしていなかったら、

そのことには気づかずに通り過ぎていたこと。
ただ、「クモがハチを運んでいる。」って思うだけでね。
そんなことって、たくさんあるような気がする。

これまで、自分が歩いてきた道筋も、

考えてみたら同じようなことかもしれないと思う。
出来ないかもしれない。いやできるはずがない。

どう考えたって不利。

でも、やってみないと諦めきれない。

ただ、何もせずにすごすごと引き下がるのだけは嫌だ。

駄目もとで、やるだけのことはやってしまおう。

あの時やってれば…って、あとで後悔しないでいいように。

(これ生粋の負けず嫌い、かも??)

そうしてやってみると、ほとんどの場合、

想像していたようには進まない。思いもしない方向に展開していく。
そんなことの連続。

だから、この世界で生きることは面白い。
意義がある。

これから、自分がかかわっていくことで、

どんな世界が開かれていくのか。
たのしみ、たのしみ。

大きな木陰に腰を下ろし。
蝉の声をたくさん聴きたい。
深い影が風に揺れるさまをたくさん見たい。
雲がずっとずっと続く空を感じたい。

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