谷あいの温泉街を離れ、山間をさらに登っていきます。
辺りはモミジの紅葉の花盛り(?)です。
あまりに鮮やかなので、写真撮影をします。
とても写真で再現することはできません。
途中に滝がありました。
早速、観察です。
階段をおりていくと、かなりの近さまでやってきます。
普通の緩やかな流れが急に険しい流れに変わり、
突然、滝となって落ちていきます。
急流の流れの岩の形を見ると
丸く掘られたものが連なっています。
そこを、水が左右にリズミカルに流れていきます。
<水の中の石が取り込まれて、
岩を削っていってこの形ができた。>
と説明が書いてありました。
よく見ると、
先ほど川で観察したカルマン流の形によく似ています。
先ほどは、水の中に現れる形でしたが、
ここでは、その流れの渦が岩に刻み込まれています。
長い、長い年月の間にこのような形になっていったのでしょう。
そして、今でも少しずつ変化していっていることでしょう。
辺りはモミジが鮮やかに紅葉しています。
途中、鈍い金属のような不思議な色をしたモミジの木がありました。
「これって、光に透かしたらどんな色だろう。」とモミジの木の方から眺めてみると、
なんと!
鮮やかな赤に変わりました。
道をさらに登っていくと、
ススキの原が現れ、辺りは急に広くなります
大平原が広がっています。
ここは阿蘇山の噴火によって
火山灰が降り積もってできたものです。
この大平原から少し降りると、
泉が湧いている場所がたくさんあります。
降った雨がスポンジのようにここに吸い込まれ、
泉として、湧き水として流れ出し、
あの渓流を生み出しています。
当たり前のことに、今更感動します。
ふと後ろを見ると、
お日さまの周りに大きな虹色の輪ができています
なんと、その中にもう一つの輪があります。
内側の輪は時々見かける暈です。
お日さまの周りに大きな虹色の輪ができています
外側の輪は外暈で、初めて見ることができました。
眺めているうちに外暈の一番上の所に冠天頂アーク
(外暈に対して逆のカーブをしている)
が出始め次第に鮮やかになり、
外暈にとって代わっていきました。
10分ほどの出来事でした。
これは、水が空に昇り、氷となって、
プリズムのように光を屈性してできた現象です。
氷の粒たちが同じ姿勢で漂っているという証拠でもあります。
思いがけない贈り物に、ただただ心を洗われる思いでした。
2020/12/18 井手芳弘