242 ヨーロッパ研修番外編 鬼門

なんと言うか、魔がさすというか、

どういうわけか間が悪くなるというか、

いわゆるジンクスと言えるものがあると感じる今日この頃。

 

話したくはないけれど、

ヨーロッパからの飛行機にとんでも

8分で遅れたのは一昨年のこと。

去年のことは触れなかったけれど、

結構きわどい思いをして、今年こそは、

絶対に、帰りだけは気を付けようと思い、

余裕を持って臨んだつもりのはずが…

どういうわけか事態はずるずると

訳の分からない道に引きずり込まれていく。

やはり何かあるのではと思ってしまう。

それは、ポルトガルのリスボンから

スペインのマドリッドに向かい、

マドリッドの空港から日本に向けて飛び立つ旅程で

やっぱりやってきた!

何の前触れもなく。

マドリッド行の列車の出発駅に向かったところから。

トランクを手にしながら駅の窓口で

「マドリッド行、一枚お願いします。」

「ところで、次の列車の出発は何時でしょうか?」

昨年の、バルセロナからマドリッド行の

tGV(ヨーロッパ高速鉄道)のつもりでいたところ…

「21時です。」
「21時?!」
「えーっ!」

…今日はマドリッドに宿もとってるし、

着いてゆっくり次の朝空港に向かおうと思っていたのに…、

宿もキャンセルしなきゃならないし…

「何かほかの方法は?バスとか?」

「バスだったら別の駅のところにある

バスセンターで聞いてください。」

重い荷物を引きずりながら、地下鉄で何とかバスセンターへ

「マドリッド行のバスはありますか?」
「はい、出発は21時です。」
「着くのは、7時ごろです。」

側の駅でマドリッド行の列車を聞くとやはり21時だけ。

結局さっきの列車しかない。

おまけに着く時間は前の駅でないとわからない。

仕方なく、また来た地下鉄を戻る。

振出しに戻って
「えーっと、マドリッド行の到着時間は何時ですか?」
「8時15分です」
マドリッド発の飛行機の時間にギリギリじゃん…

「遅れないですよね?」
「???」

私の英語力の問題か、

先方の英語力の問題か、さっぱり伝わらない

やっぱり一緒…

バスがほんの少し安いけど、途中の道が混んでたら遅れるし…

トルコでバスに乗りっぱなしだったから、

やっぱり今度は列車が…

しばらく考えて、列車の切符を買う。

トランクを駅のロッカーに預けて、

出てきたホテルに逆戻り、出発時間までホテルで過ごすことに。

宿のキャンセルを始め、ずっとパソコンで仕事をする。
夕食をホテルで取り、コインロッカー用にコインに両替してもらい駅までの10分の道のりを進む。
余裕をもって駅に到着。
さあ荷物を出してっと…
ロッカーの暗証番号×××××を入れてっと、
お金を一枚、二枚、三枚、四、ジャラッ、全部戻ってくる。
もう一回最初からやり直し。
今度は慎重に…
一枚、二枚、三枚、四っんん枚っ!! ジャラジャラッ
「ええっ?!」
落ち着け、まだ時間はある。
… … ジャラッ
何度やっても同じこと、
だんだん焦ってくる。
時間がほとんどなくなってくる。
心臓が高鳴ってくる、震える手で…
ここが鬼門か
こんなところでピンチが訪れるとは。
飛行場じゃなかったんだ!
頑張れ、負けるな!ここが我慢のしどころだ!
…ジャラッ

つづく

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です