今年の夏も気が付くと、終わりに近づいている。
いつの夏もそうだな~
今年の夏は、7月の終わりこそ
夏だって日があったけど、
大体いつ梅雨が明けたかわからないまま、
ずっと雨交じりの天気だった。
夏って、暑くって、山の上に入道雲が立ち上って、
セミの鳴き声交じりの風が木々の間を
駆け抜けるって感じがするんだけど、今年はそれがない。
それでも、各地で祭りが行われているだろう。
今年の夏は、一回だけ関東に行く機会があった。
京急線でたどり着いたのは金沢八景、
駅を降りた途端にあの懐かしい暑さ。
考えてみれば、冷房の効いた
空港の建物の地下から
そのまま冷房の効いた列車に乗り込んだから、
外の状態は知る由もない。
立っているだけで、頭の芯まで暑くなっていくこの感じ。
聞くところでは、関東では
ずっと34度ぐらいの日照りの日が続いていたそうだ。
九州とのあまりの違いに呆然としてしまった。
それから3日間、
こどもたちと合宿で夏の暑さを十分に満喫して、再び帰路へ
* *
入道雲というと、遠野のことを思い出すな~
那須塩原から新幹線とローカル線を乗り継いで、
やっとたどり着いたところは広大な盆地だった。
その上には雄大な入道雲が漂い、稲が揺れていた。
その中をレンタカーで早池峰神社を目指して走った。
山岳信仰によって支えられていた土地だった。
周りの山々が遠野の里を優しく包み込んでいた。
そういえば、山形の月山に登ったのも夏の日だった。
五里霧中の道をただひたすら登っていくと、
突然に霧が晴れ、雄大な雲海が広がる世界にたどり着いた。
今までの世界は完全におおわれて、
天の世界だけが広がっていた。
この山で私と同じような体験をした人も
数多いのではないだろうか?
月山も山岳信仰の山で、
山形県は月山の信仰によって支えられているのだろう。
諏訪湖の周りにある御柱祭で
有名な諏訪大社四社も訪れた。
遠くの山から大木を曳いて来て、
神社の四隅に立てる祭りのことを
出会った人から聞かせてもらった。
自分自身神主だというその方は、
御柱のように真っ直ぐ、軽やかな立ち姿だった。
* *
飛行機は厚い雲が覆う夕暮れの空に向けて飛び立っていく。
もちろん抜けた空は快晴、ちょうど月山の時の体験のように。
雲が一面大地のように広がる異空間。
その先に巨大な黒々とした雲の塊。
真ん中には大きな穴が開いている。
まるで怪獣たちのすみかのような。
その真っ暗な塊が、稲光で、ピカ、ピカピカと光る。
お腹の中に光る球を携えているかのように。
そうだ!
これは『ねぶた』だ!
巨大なねぶたの山車が
夕暮れの中を内側からの熱気で
明るく輝きながら、たたずんでいる。
雲の上のねぶた祭り!
ああ、ねぶた祭りに行きたい。
時間とお金をこへるべ。