まるで海のようですが、
長浜に着いて、街の中へ入っていきました。
商店街は古いお店が軒を並べていて、
でもとても風格があり、活気があり、
昔からの文化を感じさせるところです。
考えてみれば、
このあたりは京都からそれほど離れておらず、
京の文化が琵琶湖の影響を受けて
変化した形で残っているのかもしれません。
早速、パタンパタンと機械が
小気味よい音を立てている饅頭屋さんに入りました。
饅頭は入っていなくて、
機械だけが動いていましたが、
ついつい動くものに惹かれてしまいます。
ゴブラン饅頭と呼ばれていて、
なんとなく親しみのある名前です。
ゴブリンを思い浮かべるからでしょうか?
「ゴブリン、あっ間違えた、
ゴブランってどういう意味ですか?」
と店の人に聞いてみると、
「長浜の曳山のお祭りのときに、
山車の横に提げるベルギー産の織物の名前から来ています。」
とのこと。
なるほど、それで不思議で
どこかユーモラスな名前なんだ!
と納得しながら饅頭をほおばりました。
琵琶湖の広々とした水面と曳山の祭り、
それにまだ見ぬゴブラン織りが頭の中を駆け巡ります。
しばらく歩くと、ありました!長浜ラーメン!
「どういうラーメンなんだろうか?」と、
やや対抗意識を燃やし
閉店中の扉の横の張り紙に目をやると、
な、なんと正真正銘、豚骨、博多ラーメンでした。
シャレになる、とパチリ!
しばらく行くと、今度は
焼きサバそうめんのメニューがある店を通りかかりました。
京都でにしんそばを食べたことを思い出します。
なんと、ここ長浜ではこのそうめんが名物だそうです。
「どうして、琵琶湖でサバ?」
「琵琶湖でサバ捕れるわけないよね?」
不思議さが増していきます。
「フランス語でサバ—ってなんだっけ?」
わけのわからないことを考えながら、
琵琶湖からの風が吹き抜けていくような商店街をそぞろ歩きます。
琵琶湖を渡ってきた
精霊たちも風に乗ってそぞろ歩いているような感じです。
だんだん通りがにぎやかになってきました。
人通りも多く、コジャレた店が並んでいます。
その中の一軒に入ってみると、
ステンドグラスのランプ類と織物が並べられていました。
ドイツのお土産物屋さんに並んでいる
小さな織物にもどこか似ている感じがします。
姫路でも似たような織物があったような気がします。
「これがゴブラン織りですか?」と訊くと、
「そうですよ。」と答えていただき、
山車とゴブラン織りのかかわりを教えていただきました。
その昔、大名が高価なゴブラン織りを
借金のかたに大商人に渡したそうです。
その商人たちが、祭りの山車をその織物で飾らせたとのこと。
ウウム、近江あきんど強し!
しかし、ゴブラン織りとステンドグラス?
これまた変わった組み合わせ。
ランプ類の多くはご主人の手作りだそうです。
何軒か歩くと、そこにステンドグラス工房が…
話を聞くと長浜の商店街は
ガラスやステンドグラスで町おこしをしているそうです。
最近ステンドグラスづいているな、
と思いつつ、奥に立てかけてあるガラスに惹かれて店の奥まで…
どれをとっても、魅了されるきれいなガラスたち、
ゲーテの原現象の実験に使う、
周りの色合いで多彩に色を変えていく乳白成分、
それにガラスにつけられた色が
お互いに絡み合って得も言われぬ色合いを生み出しています。
ついつい、その中の細長い一枚を買ってしまいました。
持ち歩くために丁寧に梱包していただきました。
長浜、いい街だなー!
今度ラーメン食べて、いやサバ煮そばかな?
サバニって船だったっけ?
ちがう!焼きサバソーメン!
頭がもうろうとしています。