暑い日が続いたと思いきや、
なんと、お盆のお休み期間中、
突然の大雨続きになりました。

自宅がある佐賀県では2年前に引き続き、
50年に一度という豪雨に見まわれ、
再び大水害となりました。

数日間で平年の一年分の半分の雨が
降ったところもあったようです。

大変なことです。

降り続ける雨の中、家に籠ってひたすら、
木工や金工作業にいそしみました。
本来は木工中心ですが、
オイリュトミーシュタープや銅の皿などの、
木に近い温かみがあって柔らかめの銅
それに、アルミなどの金属に手を伸ばしています。

木工作業はそれなりに機械の
大きな音がするので、
街中では大変ですが、
銅の叩き出しは、
さらにハンマーで金属をたたいていくので、
それは大変な音になります。
田舎でも、閉め切って作業しています。

さぞかし、ご近所の方々は
「何をしているのだろう?」
と思っていることでしょう。
小さいころから知っていたりするので、
不審には思われていないのが救いです。

時々、変わった注文が入るのは楽しみです。
先日、天津金木を銅の棒で作ってほしい
という、特注品のオーダーがありました。

四角い銅の棒の四面に
1から4までの点が付いたもので、
調べてみると日本の古代の占い(?)
の神具のようです。

木工の知識と経験を生かして、
取り組みますが、やはりさすが、
されど金属。
思ったようには進みません。

磨き上げも木材よりはるか細かいため、
工程を間違えると、
細かい傷がたくさんついて
やり直さなければなりません。

何度も磨き直しの工程を繰り返して、
何とか納得のいくものが仕上がりました。

お客様からは大変喜んでいただき、
胸をなでおろすとともに、
嬉しさがこみ上げてきます。

こんどは、オイリュトミーをされている方から
足で転がす銅の筒が欲しい、
との連絡をいただきました。

お客様のご協力で直径35mmの太い銅の筒
を手に入れることができました。
ただ、厚みが3㎜あり、
普通のオイリュトミーシュタープとは
けた違いの太さと厚さです。

ハンマーで叩けども、叩けども、
なかなか凹んでいきません。
叩き始めたからには、止めるわけには
いきません。
ダメもとで叩いていきます。

特に両端を丸めて穴を縮めていくのは
至難の業です。
どの程度で割れが生じるのかも
検討が付きません。
細心の注意を払いながら、
でも最大の力を込めながら叩いていきます。

形にならないかも…
諦めの気持ちも混じりながら叩き続け、
気が付くと、何とか形になっていました。

ほっとしながら、
最後はピカピカに仕上げです。

終わってみると、われながら良い出来です。
お客様の喜ぶ顔が楽しみです。

アルミのトーンチャイムも
最初はお客様からの要望でした。
528Hzのものを探されていて、
「それじゃ、作ってみましょう。」
ということで作り始めました。

HPにアップしたら、別のお客様から
ほかの音が欲しいとご注文をいただきました。
響きを気に入っていただき、
さらにご注文をいただきました。

アルミの菅をカットして、
チューナーに合わせながら、
管を削ってはまた調音する
ということの繰り返しです。

これでOKかと思ったら、
削るときに温度が上るために、
冷えたらまた音の高さが変わります。

おまけに寝せて叩いたときと、
吊るして叩くときで音の高さが
微妙に違ってくることが分かりました。
<現実は小説よりも奇なり>
と言いますが実感です。

あとで考えると、なるほど、
と思えることですが、
作る前では想像もできなかったことです。

初めてのことに挑戦することは、
試行錯誤が多く無駄がたくさんあります。
また、作業用に試しに買った工具類が
山積みになっていきます。
でもその分、実践的な知識が増えていきます。

それに、物づくりの大変さを体験することで、
作っている人たちや、
作られたものに対する畏敬の念がうまれ、
自分が少し謙虚になる気もします。
  
それにしても、ネットショップなどで
いろんな商品を見てみて、
「どうしてこれほど安く作れるのだろう?」
と驚いてしまうことが多々あります。
大量生産と機械化、それに安い人件費
によるものかもしれませんが、
驚くしかありません。

時々、自分が何屋かわからなくなってしまい、
笑ってしまうことがあります。

雨の日と連休はモノ作りが似合います。

2021/8/20 井手芳弘

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