271 四万十研修 I

皆さん、夏休みはいかがお過ごしでしょうか?
私は、例によって、夏休みは集中期間です。

そして、集中自己研修の時間でもあります。
周りの人々は、「単なる楽しみの旅行だ。」といいますが、

とんでもありません。

見聞を広めるための大変な研修です。

それも、一人っきりの孤独な研修です。

 

今回はライア作りで高知を訪れました。

今回3度目の講座です。東京の講座が終わり

直接高知にやってきました。講座の始まりまでに

一日ほど空きがあったので、

今年は四万十川を攻めることにしました。

四万十川といえば、日本一の清流で知られた川です。

朝方、高知市内でレンタカーを借りると、

一路、四万十市に向けて高速を走り、

海岸沿いに走りました。四万十川の河口がある

四万十市は高知市からかなり離れています。

四万十川は不思議な流れをしています。

一旦、山の方へ流れたかと思うと、

また海岸沿いに近づきながら、再度山に向かって行きます。

海岸近くの中流域から入ろうか、

とも思いましたが、やはり下流から、と海岸線をひた走ることに。

途中の、太平洋の荒波が押し寄せる海岸は、

私の知っている唐津の玄界灘とは違い、明るく激しく輝いています。

それからさらに走り、

なんとか四万十川の河口の近くにたどり着きました。

河口の近くといっても、

まだ山が続いています。

そして、私の知っている河口あたりの

土色に濁った水の色ではなく、

緑色の澄んだ色のまま流れているではありませんか?

それで理解したのは、この川には下流域、

中流域というのがなく、

上流域からいきなり海に流れ込んでいるということです。

なるほど、これであれば、川の流れは速く、

澄んで流れるわけです。

対岸には天国のような美しい風景が広がっています。

日本のほかの川も昔はこのように澄んでいたことでしょう。
眺めのいい堤防の道を少し走ると、

いきなり狭い道に… 普通車がすれ違うのもやっと、

という感じの道路です。

そして、標識を見ると… 国道のマーク!!!

宮崎県の山奥で、ガタガタの舗装されていない、

忘れ去られたような国道を走ったことがありますが、

舗装されているとはいえ、ここまで狭くはありませんでした。
時々、集落の中を走ります

(どう見たって、そこらの庭先の道です)。

道のわきをおばあさんが草むしりしたりしています。

道のところどころに川を渡る沈下橋があります。

沈下橋というのは、水が増水したら

沈んでしまうことをはじめから想定して、

低く作られているコンクリートの橋です。

沈下橋のあるところは岸の河原に

簡単に降りられるようになっています。

そこで、皆さん川水浴をしたり、

カヌーに乗ったりしています。

観光用の川めぐりの船もそこに停泊しています。
魚を採るための船もそこから降ろされることでしょう。

この沈下橋の存在が、

人と川を身近なものとしてつないでいる気がしました。

それにしても、川が近い。

清流は様々な顔を私に見せてくれます。

そのたびに、あすこでパシャり、またパシャり、

と大忙しです。水浴びしているわけではなく、写真撮ってます。
ついつい、寄り道が長くなってしまいます。

午後も遅い時間になってきたので、

そろそろどこか泊まるところ、探さなきゃ!
でも、こうなると、ネットで探すというわけにもいきません。

高知駅の観光案内所でいただいた、

地図を頼りに取り敢えず、

ここらへんで泊まれるかも?と言って、

丸を付けた温泉地を取り敢えず目指します。

(観光案内所の方には

たいへん親切にしていただきました。ありがとうございました。)

途中で寄った、二つ目のカヌーセンターで、

カヌースクールのことを聞きつつ、

ついでに「ここらあたりで泊まるところないですかねー?」

と尋ねてみました。キャンプもよかったのですが、

貸しテントしかなさそうでしたので。
スタッフの方は、

「えっ?今の時間に宿探す??」的な顔をされながら、

近くの宿の載った一枚のチラシを渡してくれました。

「この先に星羅というホテルがあるけれど、

たぶん満室だと思いますね。」
「この上のヘルスセンターは少し古いけれど、

宿泊もやっているから聞いてみるといいですよ。」

「ありがとうございます。」

「ところで、ここのカヌーセンターのパンフか何かいただけませんか?」
「そのチラシが、ここのパンフです。」

「???」ほとんど、施設やカヌーのことなど書いてありません。
外に出て、とりあえず、

星羅に電話してみました。空いていませんでした。
ヘルスセンターに電話しました。空いていませんでした。

民宿に電話してみました。空いていませんでした。

考えたら、夏休みの土曜日、

それも有名な四万十川、空いているはずはないかも!?

目の前のカヌーセンターのシャッターが下りました。閉店‼!

リストに載っている、旅館や民宿に片っ端から電話し始めました。

もう、眺めがいいやら、部屋がきれいだ、など関係ありません。

どこにかけても、空いていません。

でも、全くピンチでも何でもありません。
余裕しゃくしゃくです。
強がりでも、やせ我慢(?)でもありません。
いざとなれば、車の中で寝れるんですから。
それはそれで、楽しいかもしれません。

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