中秋の名月の前日、天気が良かったので、久々山の見晴らしのいい場所でお月様を撮ろうと出かけました。
撮りたかったのは、地球影にどんぶらこっこ、どんぶらこ、と浮かぶお月様です。
これは、地球影が見える夕方の満月のお月様でないと撮れません。
残念ながら、到着してみると
山は曇って、月の出は見ることができませんでした。
仕方なく露天風呂に入ることにしました。
しばらく入っていると、雲の切れ間からお月様が出てきました。
明るい光を放つ満月のお月様は、すでに高いところにありました。
お月様を眺めていると、
突然、「う~、見えない!」
の声が…
若者の声です。
はずかしさをおして、
「何が見えないんですか?」
と訊くと、
「カシオペアの連星が見えないんです。」
「そうなんだ。」
「今日は満月で明るいから見えないんじゃないですか?」
と、慰めると。
「明日が中秋の名月で満月ですね。」
と若者。
「暦の十五夜と実際の満月は違うことがありますからね。」
と言うと、
「明日の中秋は珍しく、満月らしいです。」
「そうなんだ…?」私
数日前から月を眺めていた私の感覚としては、今夜が満月だと感じるのだが…
自分の感覚が間違っているのか?
単に、負けん気のためなのか?
家に帰って調べることに。
確かに、9月21日は旧暦の8月15日で中秋の名月の日。
月齢を見てみると14.1で、
満月になるのは朝の8時ごろ。
ふむ、なるほど…
諦めきれない私。
月齢とは、と調べると、
新月の日時から数えて、何日と何時間(10等分:0.1=2.4時間)経ったかということのようです。
一月は29.5日だから、その半分は14.75日
おまけに、正午の時の月の大きさがその日の月齢だ、ということが分かりました。
<うん?9月21日正午にはまだ14.1日で満月の14.75日より前なのに、8時で満月になっている??>
どういうこと??
閏年と節分問題の再来です。
(つれづれ405節分2月2日問題)
https://perol.jp/shop/?paged=2&cat=3
でも、今回はうっかりでした。
新月から新月までの長さは
各月によって変わるのです。
月の軌道が楕円軌道であること
(太陽の楕円軌道も関係している)が原因でした。
こんなことに気が付いていなかったなんて…
話を元に戻すと、
待てよ?
朝8時に満月だということは、
21日の朝に沈んだ月のほうが、
21日の夕方出る月より満月に近い!
全体的に見ても、20日の月の方が
21日の月よりも満月度が高い!
確かに、20日の夕方の月と、
21日の夕方の月を比べると
21日の方がよりまるくはあるけれども…
納得!結果に満月!いや満足!
私の感覚は正しかったのだ。
フフフ、お兄さんどうだ!
ま、待てよ…?
20日の夜の月は、夜の12時になると、21日の月に変わってしまうのだ、シンデレラみたいに(?)。
月は日付の国境を越えていたのです。
うかつでした。
21日の中秋の名月の月の出は、
残念ながら雲と稲光で見ることができませんでした。
それでも、9時ごろにはその姿を見ることができました。
(前日もそうだったな)
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
月を眺めながら、いつしか眠りについていました。
2021/10/01 井手芳弘