273 白山研修

場所は飛騨高山。

四国から新幹線と高速バスを乗り継いでやってきました。

時間は午後4時。
こう書いていると、

遊んでばかりいるように見えますが、とんでもありません。
前回の四万十川研修の後、

しっかり仕事して、

今度は富山での仕事に向かう途中の

わずかな時間を利用しての研修です。

取りあえず途中で駅前のレンタカーを予約しておきました。

駅に降り立つと、まず駅前の観光案内所で情報収集です。

合掌造りで有名な世界遺産の白川郷まで

1時間ほどで行けるようです。

白川郷は一度は訪れてみたい場所です。

その先には、われらの白山が控えています。
話を聞くと、なんと、合掌造りに泊まれるようです。
でも、案内所の人曰く

「今は夏休みだし、時間も時間だから、どこも一杯かも。」

「でたー!」「一杯伝説!」
聞きなれたフレーズです。

資料をもらい、レンタカー屋さんに向かい、

手続き中に、白川郷の観光協会に宿泊の問い合わせをしました。

電話の向こうで、おじさんが「うーん」とうなっていました。
「難しいと思うけど、調べて返事します。」とのこと。

今回は、電話連絡を丸投げしてしまいました。
何度も電話して、

「今晩一晩泊めてください。」

「どこのお部屋も一杯です。」「困った、困ったどうしましょ。」
の繰り返しをする必要はありません。

なんと、洗練されたシステム!

しばらくすると電話がかかってきました。

「一軒空いていました。」

「もう遅いので、夕食はできません。」「朝食付きでいいでしょうか?」

もちろんOKの返事をすると、

一路、白川郷に向けて出発しました。

高速道を走り、降り口に近づくころ、

右手に不思議な建物群が一瞬見えました。
あれが白川郷だった、と到着してわかりました。

高速道を降りて、ほどなく走ると白川郷の入り口がありました。
あります、あります。合掌造りの家の集団です。

家の間を抜け、人に聞きながら

合掌造りの民宿にたどり着きました。
車を止め、玄関を開け「ごめんください。」

と声をかけると、中から2人の子供が出てきました。
??、エッーと…、合掌造り民宿というのは、

家族の中にホームステイすることなんだろうか?

などと、愛想を振りまきながら考えてしまいました。

実は、すぐそばに住むお孫さんたちが

たまたま遊びにきていたようです。

家に迎え入れられ、

池のある中庭が見える一番奥の部屋に入れてくれました。
クーラーがなくても、網戸だけで十分にしのげる涼しさです。

「ところで、今日は何人ぐらいお泊りでしょうか?」

「今日は、あなた一人です。」
「……?}

「8人ほど予約が入っていたのですが、

山の天候が悪くなる、ということで、

みんなキャンセルになりました。」

一棟貸切!!
四国に引き続き、貸切伝説が続きます。

 

いろいろ質問しました。

現在は家の保全や修理に9割は補助が出るとのこと。

それでも、やはり屋根の葺き替えには人手がいる。

昔から、共同で作業をしてきていて、

なんと、屋根の葺き替えは一日で作業を終えた、

とのことでした。

それだけたくさんの人たちが集まってきたそうです。

また、田植えや稲刈りなどの時も

たくさんの人たちが手伝いにやってきたそうです。

それと、建物をほかの地域に売らないように

申し合わせている、とのことでした。

人が住まなくなっても、

建物をほかに持っていくのではなく、

集落内の一か所に移築して保存している、とのことでした。

集落最大の合掌造りの建物が博物館になっていましたが、

なんとその建物の半分は住居になっていました。
人が住んでいる集落が世界遺産になるという

珍しい形態で、たくさんの観光客が訪れることと、

人々の生活との両立が大変なようでした。

池の音を聞きながら、しばらくくつろいだ後
夕暮れの白川郷の散歩に出かけました。
集落に沿って谷川が流れ
遠くには、高い山が顔をのぞかせていました。
「あの山が白山ですか、」と人に聞いてみると、
「白山はあの山の後ろにあって、ここからは見えません。」と言われました。。

夜中に再び抜け出しました。
満月近い月は太古からの家々を照らし出しています。
うれしくなって、あっちへふらふら、こっちへふらふら、
吊り橋の上で、ねっころびながら月なたぼっこしたり…

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