281 日ざし

お正月明け早々、

大川というところにライア用の板を買いに出かけました。

大川は筑後川下流に面しています。

その昔、上流の日田あたりから材木をいかだにして

ここまで流して運んだようです。

筑後川沿いに車を走らせました。

 

途中にいい河原。

車を止めてちょっと一服です。

 

取り敢えず、川のそばまで歩いてみました。

右側は芝生の公園がずっと続き、

左側は畑で、白菜や大根が植わっています。

 

白菜は外側の葉っぱが枯れて、へばりついています。

その下はむき出しの地面。雑草たちがまばらに生えています。

 

「多分土地を借りて菜園をされているのだろう。

冬の畑の感じが何とも懐かしい。」

「久しぶりだよね。こんな感じで光を受けるなんて。」

慈愛に満ちた光が心の底を照らしてくれている感じです。

お正月前に大掃除され、新しい光を迎えている感じでもあります。

時間が止まり、光に満ちた風がやさしく吹いています。

「この未来に向けての希望が

満ち満ちているているような感じは、どこから来るのだろう?」

「こんな、何の変哲のない場所にも降っていたんだよね。」

川べりに来ると船がつながれていて、そこら中に光が溜まっています。

水面は、とらり、とらりと揺れ、燻し金のような太陽をフニャフニャにしています。

「一緒に揺らされる呼吸のなんと心地いいことか。」

「ぼーっと見続けたくなるな。」

「そういえば、fの揺らぎってあったような…」

川べりの草や木も遠くからの光を受けています。

多分、ずっと昔の光も交じりこんでいるに違いありません。

子どものころよりずっと昔の

懐かしさのような光が川べりの草や木を眺めています。

芝生の方に歩いてみます。

木の向こうには水面がサラサラと砂のように輝いています。

先ほどの畑の方とは全く違った雰囲気です。

「これって、光の射す方を見てるから?」

以前の発見を照らし合わせてみます。

また、川面に近づいてみます。

水面の反射の色合いと

透けて見える物の色合いの絶妙な響き合いがとてもきれいです。

「いろいろ見せてくれるんだね。」

「ありがとう。」

「今日はやけに、

空から降ってくる光がカーテンのように空に広がっています。

こんな風に、光の混じった風に撫でられ、

遠くからの光に見守られながら、

一年を過ごせていけたらいいな。」

 

「でも、今だけなんだよね。」

「もう少ししたら、あつくなってそれどころじゃなくなるよね。」

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