285 モネ展に行ってきました。

福岡市美術館にモネ展を見に行ってきました。
前期、後期とあり、後期の最終日でした。

今回の展覧会は珍しく

前期後期の前売り券を

コンビニエンスストアで初めて取りました。

ところが、前期の期間中はバタバタして、

気が付いたら期間が過ぎていて、

後期最終日前日に空いた時間を利用して

行こうとしました。

すると、店のスタッフに

「母が行ったけど、駐車場も長く並んで大変だった。」

と言われ、

最終日前日だから、もっとすごいだろうと諦めました。

「もう、いいや。」

「モネの睡蓮の絵もパリで見たし…」

「こんかいはあきらめよう。」

「もう、二度と前売り買わないぞ!」など、と思いながら。
「でも、やっぱり、もったいない。」

「でも、やっぱりもったいない。」

と最終日に出かけることにしました。

朝早く、開館より1時間以上前につきました。

こんなことは、私にはありえないことですが、

車の中で作業しながら、

駐車場の空くのを待ちました。

すでに8台ぐらいの車が待っています。

と思いきや、止まっている車が、

Uターンしてもどっていきます。

公園なので朝早く、散歩かジョギングに来た車なのでしょう。

 

開館40分前になって駐車場が空きました。

早速車を止めて、美術館のほうに歩くと、

もう長蛇の列です。

「すごいな、さむいなー」と思いながら、

車でしばらく待つことにしました。

しばらくして、駐車場の警備員の方に、

「何時ぐらいから入れるんですか?」と聞くと、

「9時開館なんでもう入れますよ。

モネ展の入り口は9時半から空きますけど。」と言われ、

さっそく中へ入りました。

中では、すでに当日券売り場と

モネ展の入り口に再び長蛇の列です。

 

モネ展の列の最後尾は外に出ていましたので、

並ぶのをあきらめ、下の椅子で時間を惜しんで作業です。

ひっきりなしに係員の方の声が拡声器から響いています。

いよいよ時間になり上がっていくと

当日券売り場はほぼ空っぽ、

モネ展の入り口になだれ込んでいます。

それでもほどなく、会場には入れました。

なんだか、殺気立っています。

会場に入ると、

『印象:日の出』の絵を見たい方はこちらが近道です。

と書いてあります。

とりあえず、そこら辺の絵をサラッと見て先へ進みます。

でもすでに人が多く、なかなか先に進めません。

解説を少し読みながら、

モネの絵をさらさらと眺めながら、進んでいきます。

 

すると、『印象:日の出』の展示に出くわしました。

道は、近くで見たい人と

近くはないけどじっくり見たい人の2つに分かれています。

とりあえずは、近くで見てみることにしました。

 

教科書などにも出ている、

印象派の走りとなった有名な絵です。

なんとはなく見ていて、「あっ!」と思わず、

叫んでしまいそうになりました。

私がカメラで夕日を取り続けてきて、

たどり着けなかった解決策が

描かれていたからです。「

う〜ん!!」唸ってしまいました。

というのは、

その鮮やかな真っ赤な夕日をカメラで撮ると、

往々にして白くなってしまい、

その時の鮮やかさを再現することはできません。

モネは色彩を使い、それを表現しました。

太陽の周りの空間の明度はさほど落とすことなく、

彩度をグレーに近い色合いにすることで落とし、

太陽を鮮やかな朱色を使うことで、

光の輝きを再現していました。

その輝きは夕日が沈むときの輝きのまぶしさ、

と鮮やかさでした。むむむむむむ・・・・、すごすぎる。

さらに先に行くと睡蓮の絵がありました。

睡蓮の絵はパリで見て感動したものです。

その時は、モネは睡蓮の絵を

前衛的にラフに描こうとしたのではなく、

ち密に正確に描こうとしていたのが分かりました。

 

また、モネが睡蓮の葉を使い、

水面の物質性を表現し、

映り込んだ像で周りの世界を表し、

手前の枝でその場所を表現しようとしているのが分かりました。

 

うまく表現できないのですが、

自分の実際の感覚器官を通して

訪れた印象というものを、克明に描こうとした、

という感じでした。

 

今回、見て驚いたのは、

色合いだけではなく、物体としての

睡蓮と映り込んだ景色を

それぞれの立体的な奥行きでさえ描き分けている

ということが分かりました。

2次元の絵なのに、

その絵の映り込んだ像にカメラのピントを合わせたり、

睡蓮の葉っぱにピントを合わせたりできる、

そんな感じさえする立体感です。

そのすごさに、

呆然と、それぞれに何度も

自分の意識のピントを合わせてしまう私でした。

おまけにそこに描かれていたのは、

光と影が織りなす、光の当たった風景だけではなく、

影になったり、日が落ちた後の、

直射日光のささない中での微妙な影の輝きでした。

とてもこんなものは、カメラで撮れるものではありません。

ただただ、

目と口をポカーンとさせながら、

立ち尽くすしかありませんでした。

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