良い天気が続きますね。

ゴールデンウィークは
皆さん楽しまれたのではないか、と思います。

私はと言いますと、
大体自宅で仕事をしています。

稲作を手伝っていたころは、
ちょうど籾(稲の種)を箱に蒔いていく作業の真っ盛りだったので、
いやいや作業を手伝っていました。

いまはそれもなくなり、
木工作業などに時間を使っています。

クロッタ(チェロのような楽器)の注文がたくさん入っていたころは
「梅雨前に完成させなくてはいけない。」
とせっせと作業にいそしんでいました。

今年はめずらしくゴールデンウィークの前半に関東に出かけ、
お話をする機会を持ちました。
(ついでに歌をうたわせていただきました)
話の内容は虹についてでした。

私は、何を隠そう(全然隠れてない)
ずっと虹を追いかけています。

ある方などからは、
「やはり、井手さんの話は最後に虹の話になるんですね。」
と言われます。

そうなんです。
実は私は虹オタクなのです。
そして、虹の話をするたびに、
自分の中に新たな発見が生まれます。

高校の教科書には2ページに収められている虹が
それほどまでにたくさんの事柄を含んでいるのか、と驚くばかりです。

シュタイナー教育を提唱したR・シュタイナーは
「子どもたちには死んだ概念でなく、
生きた概念を与えなければならない。」
と述べています。

「???」
「概念って何?」
「概念が生きてるってなに?」
「死んでるって何?」
って感じですよね。

私はこう考えています。

概念というのは、
何かを表す例えば<虹>のような一つの言葉です。
そして、生きた概念というのは、
その言葉を使って他のことをより深く理解できる道具にできるものです。

虹というものを使って、
自分とほかの人とのかかわりを理解できていくということです。

話が少し難しくなってきました。

虹のお話の時の出発点は、
「私が見ている虹とほかの人の見ている虹は同じものなの?」
というところでした。

それぞれの人が見ている虹は違う水滴が色付いています。

違う水滴が色付いているのに同じ虹を見ていると言えるのか、違うのか?

遠くの大きな虹と手前の小さな虹がきれいに重なるとき、虹の大きさは?

生きた概念は一筋縄ではいきません。

ほかの例をとればよかったかな、と思います。

参加者の人たちも???状態でした。

ある参加者は「考えることが楽しい。」と言ってくれました。

先日車を走らせている時に水色の輝く雲が現われ、
みるみる虹色に変わっていきました。

この現象は冠水平アークと言って、
氷の粒がプリズムの働きをすることによって起きてきます。
氷の粒が空で同じ向きに並んだ時に現れます。

氷でできる虹色の現象はほかにたくさんあり、
暈(かさ)現象、幻日現象、冠天頂アークなどがあります。
ドイツの教員養成所時代にこのことを知った時には
とても不思議な異様な感じがしましたが、
よく観察をすると結構頻繁に起こっています。
これほど見事な冠水平アークを見たのは初めてでした。

「なぜこのような現象が起きるのか、
の理屈を知ってしまうとつまらない。」
という方もおられるでしょう。

でも、考えを深めていけばいくほど、
その不思議な現象がより不思議なものに変わっていきます。

身の回りが不思議なもので包まれますように。

2022.05.06.井手芳弘

つれづれ434 生きた虹」への2件のフィードバック

  1. 氷の粒が空にあり、プリズムに働きとなり空に同じ向きに並ぶ。
    この冠水平アーク。地上の季節は初夏でも、空では氷。
    不思議な現象。不思議なことだらけです。

    先日のらせん教室にて
    初めて生のオイリュトミーを拝見しました。
    ひとつのものから
    天を指す手と地を指す手
    神社にて、光が射してきたみたいに
    そんな不思議なことがあるのですね。

    自然から自分を離さないと美しいと感じることも出来ない。
    この言葉がああ、そうだなぁ〜。と心からそう思いました。
    そして、西洋的自我は東洋的無我に融合し結び合うものであって
    欲しいなと思いました。

    井手先生
    またお話をお聞きするのを楽しみにしています。
    どうぞよろしくお願いします。
    こちらの文章も少しづつ味わわせてください。

    1. 池田園子様
      たくさんのことを受け止めていただき、大変うれしく思います。
      自然との出会いで、たくさんのものをいただくことができ、たくさんの発見をさせていただきました。
      ただただ、感謝しかありません。

      こちらこそよろしくお願いします。

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