ドイツから戻って来て、はや2週間がたちました。
ちょうど滞在していた日数です。

戻って来てバタバタと
キャンプや幼児さんたちの夏の手作りなどで忙しくしていて
時差ボケはその後に出てきました。

時折、2週間前のことを思い出します。
別の場所でもう一つの時間が流れているような、
不思議な感覚でもあります。

今回はザーレム以外に、
人と会うためにスイスのベルンを訪れました。

渡航初日というものはとても印象深いものです。

飛行機でチューリッヒ空港に夕方6時半ごろついて
それから列車に乗って一時間ちょっとでベルンに着きました。

駅を出てホテルを探そうにもどこにも市街地図がありません。
仕方なく現代の利器であるグーグルマップで検索です。
1時間200円のパケットパックでネット回線を使い
ホテルまでのルートを表示しましたが、
まず駅からどの方向に歩いていけばいいかが分かりません。

側にいたファンキーな若者に話しかけ、
スマホの地図を見せました。
すると、「この道をまっすぐに行って。
右に曲がってそして左と教えてくれました。

ホテルへの道すがら、
だれもマスクをしていないのに気が付きました。

ホテルには閉門時間の9時を過ぎていたので
隣のレストランから入れてもらいました。

4階まで重いスーツケースを持ち上げ
(エレベーターは9時でストップ)
やっと部屋に到着です。

部屋の窓からは通りが見えてなかなかいい感じです。
部屋に着いてスッキリすると、
早速、町の探索へ出発です。
自由時間はこの夜しかないので、
時間を有効に使わないといけません。

その前に、先ほどのレストランにお礼かねがね、
生ビールを一杯いただくことにしました。
「生ビール一杯(樽ビール一つ)!」というと
「こんなでかいやつ?!」と手で樽の形のジェスチャーをして笑っています。
<所変われば、表現変わる>です。

ホテルを出ると、旧市街の中心らしき方向に歩いていきます。

だんだんあたりが暗くなってきて
人通りもなくなってきたので大きく左に曲がります。

途中、若者がたむろしているアイスショップを横目で見ながら、
また左に曲がりまっすぐな道を歩いていると、
おばさんが、
「ここどこ?」「…を探しているだけど。」と話しかけられ、
「ごめんなさい、私ここに住んでないからわからない。」
と答え更に人気のない道を進みます。

すると、橋に行き当たり、
そばにガラス張りのどでかいエレベーターがあり、
橋の下へと降りていけるようになっています。
降りようと思ってボタンを探しても、どこにも見当たりません。
そのうちエレベーターが動き、
下から自転車を押した二人が上がってきました。
「乗っていいの?」と聞くと
「OK!」の返事。
隣にはエレベーターと並行して階段がありました。
すべてガラス張りなのでよく見えます。
4階の高さを下りると、確かに下には押しボタンがありました。

突然川沿いの道を散歩です。
水量が多く、流れのはやい川の向こう側には、
庭園レストランが広がっています。

きっと昼間はたくさんの人々でにぎわっていることでしょう。
川向こうの街灯が水に映って幻想的です。
反対側は小高い丘になっていて
そこには宮殿のような巨大な建物が立っています。

途中、川の側で車中泊している人に駅への道を聞き、
急な坂と、途中屋根付きの木の階段を上り、上にたどり着きました。

すると、そこにはたくさんの人たちが行き交い、
旧市街が広がっていました。
これまでの道のりと大違いです。

先ほどの宮殿のような建物にたどり着くと、
そのテラスのような広大な場所があり、
若者たちが思い思いに楽しんでいます。

金曜日の夜ということでより賑やかなのかもしれませんが、
みんな思い思いに楽しんでいるんだな、
となんとなく胸が温かくなりました。

後で知ったのですが、
その建物は国会議事堂だったようです。
恥ずかしい話、ベルンがスイスの首都だということを今まで知りませんでした
(ジュネーブだと思っていた)。
更に歩いていくと、
お酒が並んでいる棚が素敵に輝いているお店の前を通りました。

先ほどのガラス張りのエレベーターといい、この棚といい、
素敵にデザインされているのを感じます。
通りの店は閉まっていても中がのぞけるように照明されていますし、
ショーケースが歩道脇に備え付けられていて、
中には貴金属類も飾ってあります。
大丈夫だろうか、と心配になります。

あるお店の前に来ると、金魚鉢がたくさん並べられていて、
その中に一匹ずつ金魚が泳いでいます。

これだけの金魚を管理するのは大変だろう、
と思いながらよく見ると、
それぞれの金魚が上の蓋のところから細いひもでつられています。
「作り物?」
ヒレの動かし方といい、動きといい絶妙です。
驚いて立ちつくし、気を取り直して動画を撮っていると、
通りの掃除をしているお兄さんが、
「ねっ、これすごいよね!」と話しかけてきました。

ホテルに戻ると、頭の中をぐるぐる回る金魚とともに眠りにつきました。

2022/9/02 井手芳弘

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