先日木星と金星が隣同士に並んでいて、
とてもきれいでした。

金星は木星より大きく輝いていました。

でも、実はあれは隣同士じゃないと言われています。

金星は手前に、木星は遠く離れています。

金星が木星より大きいとは、だれも思いません。

ましてやお月様が木星より大きいなどだれも思いません。

近くにあるために大きく見えるだけだ、
と思っています。

思っているってどんなことだろうか、
と考えてしまいます。

自分をずっと遠くの宇宙空間に飛ばしてみて、
そこから見てみる感じでしょうか?

そこから見てみて、
「ああ、木星は金星よりはるかに大きい。」
と実感したあと、
また自分の場所に帰って来て、
先ほどの状況を思い出しながら
「ああ、木星は金星より大きかった。」
「木星は今小さく見えているけれど、
実際は大きいんだと。」
と考えているわけですよね。

そして、お月様と金星が出会っても、
金星と木星が出会っても、
「あれは出会っているわけじゃない。」
「実際は遠く離れているんだ。」
って。

それって、夢がないですよね。

私たちが慣れ親しんだ星座だって、
実はそれぞれ違う場所にあって、
星座の形をして存在していないっていうし…

真実ってそんなものでしょうか?

ずっと悩んで、こう考えました。

小さくても近くにあって大きいものは、
自分の網膜に大きく映る。

大きくても遠いものは
自分の網膜に小さく映る。

真実はすべて自分の網膜に映っているってこと。

私がここに存在していることで、
星たちはそれぞれ遠く離れていても、
私の網膜の上でお互いが出会っている。

私は世界が出会う舞台!

遠くの大変な状況より、
目の前の小さな問題の方が
自分にとっては大きい。

        *      *

金「おう、木くん、ひさしぶり。」
木「よう、金さんぶりぶり。」
金「木くん元気だった?」
木「ボクはなんとか元気。」
木「ずっと夜空に出っぱなしで、だいぶん疲れて元気がなくなってきたけどね。」
木「もうすぐ西の空の下に降りていってお日さまの側で休むけどね。
木「金さん、君こそ元気だね。」
木「西の空の下から突然出てきたと思ったら、ボクのところまで一っ飛びで上がってきたからね。」
木「これから、また上に昇って行くんでしょ?」
木「でもボクよりずいぶんと大きいね。」
金「木さん、しょぼくなったね。」
木「それ言うか?」
木「東の空で会うときは、ボクもまだ元気で金さんに負けないくらいなんだけどね。」
木「ずいぶんと見なかったけどなにしてたの?」
金「ずっと、昼の世界に行っててね、
お日さまの側で小さくなってた。」
木「金さんこれから、東の空へ旅するの?」
金「いや、残念だけど、行けない。」
金「お日さまから、遠く離れられないんだよ。」
金「しばらく上がったらUターンして、今よりもっと輝きながらまた西の空に降りてくる。」
金「木さん追い越すよ。」
金「そしたら今度は東の空から出てくる。」
木「えっ!金さん忙しいね。」
金「ボクなんかまだましな方。」
金「水さんなんか、もっと早く、何度も行ったり来たりしてるよ。」
木「えーっ!そうなんだ!」
木「水さん、ほとんど見ることないからわかんないや。」
金「ボク、水さんの近くにいるから結構わかる。」

木「いい眺めだね。」
金「だね!」
木「いい天気だったから、空も晴れ晴れ!」
木「梅の花咲いてるね!」
金「だね!」
木「夕暮れの中に香りが上がってくるね。」
金「だね!」
木「静かだね。」
金「だね!」

金「あれ?あそこでボクらを見てる人がいる!」
木「話聞いてたかな?」
金「うなづいてるよ。」

2023/03/17 井手芳弘

つれづれ 455星の大きさ」への2件のフィードバック

    1. 内水様
      コメントありがとうございます。
      おほめ頂き嬉しいです。
      星たち、眺めてあげてください。
      ペロルいで

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