クロッタづくりも塗装を終え、
仕上げに向かっています。
長い道のりでした。
つれづれは、相変わらずドイツの話題が続いています。
今回のドイツ研修もほとんどザーレムでのライア研修でしたが、
そんな中で訪ねたところがありました。
フィントアイゼン氏が主宰されている電磁波遮断装置研究所です。
フィントアイゼン氏は、今を去ること40年ほど前、
穂高で行われたシュタイナーのゼミナールで講師を務められた方です。
高橋巌先生、故高橋弘子先生によって主催されたその講座は
日本のシュタイナー運動の先駆けとなるもので、
現在シュタイナー関係で活躍されている多くの方々が参加されていました。
治療教育の講座が主で、毎朝四声のコーラスを指導されました。
その後、時々ニーダー氏からフィントアイゼン氏のことを聞くことがありました。
フィントアイゼンという名前は不思議な名前で、
日本語に直すと<鉄を発見する>という意味ですが、
なんとフィントアイゼン氏は世界中の鉱脈を発見する仕事をされていたそうです。
まさにフィントアイゼンという名前そのものです。
さらに、ギリシャの霊能者<ダスカロス>の教えを受けられたそうで、
ダスカロスの無料のワークを定期的に行われているそうです。
ダスカロスから、ワークは無料で行うように、という指示があったそうです。
更に、マラリアにかかり、生死の境を通り抜けられたそうです。
現在は、義理の息子さんと電磁波遮断装置開発研究所をされています。
キャンプヒルの障害児教育の先生としてしか知らなかった私は、
その謎めいた存在に大変興味を持ちました。
ニーダーさんの奥さんから、
シュタイナーの著作に関するフィントアイゼン氏のワークショップがあると紹介され、
二つ返事で出かけていきました。
建物に入ると階段の踊り場に不思議な板が展示されていました。
蜜蝋と金箔をはり合わせたようなものです。
何なのか、全く想像がつきません。
2階のホールに入ると30ほどの椅子が円く並べられていて、
すでに何人かの人が座っていました。
私は40年前の記憶を頼りに、
白髪で腰が曲がっている老人のフィントアイゼン氏を探しましたが、
見つかりませんでした。
みんなが出そろってから、
入り口の近くにいた方がユーモアたっぷりに明るく会場や今日の講座の案内などをされました。
「この方はこの研究所の職員の方か何かなんだろうな。」
「フィントアイゼン氏はこの後入ってこられるのだろう。」
と思って、
「フィントアイゼンさんはまだ来られていないんだよね。」
とニーダーさんの奥さんに聞くと?
「今話している人がフィントアイゼンさんだよ。」との返事。
「え~っ!」
想像とのギャップに驚きが隠せません。
みんなの自己紹介の後、講座が始まりました。
シュタイナーの提唱したサブレッスンの一つである
<一日の振り返り>と精神世界との関係などの内容が語られた後、
真ん中に置かれた花の色の観察に入りました。
講座が終了してから、
隣の電磁波遮断装置のある建物を
フィントアイゼン氏直々に案内していただくことになりました。
巨大なリングが何層にも重なった巨大なタワーが
三階建てほどの高さの天井までそびえ立ち、
その下には椅子が置いてあります。
床に置かれた設置前のリングの一つを見ると、
細長い板に蜜蝋が1㎝ほどの厚さに塗られ、
その上に金箔が張られています。
そのリングが同心円状に配置されています。
一番外側のリングの直径は10M近くあります。
講座参加者の皆さんは、思い思いの場所の椅子に座っています。
まるで、未来都市のエネルギーチャージャータワーのようです。
フィントアイゼン氏があるエピソードを話してくれました。
不審に思った警察関係の人たちが6.7人突然事務所に訪ねてきて、
何をしているか調査をしたそうです。
彼はその人たちにやっていることを丁寧に説明すると、
とても感心され、賛同者になってくれたそうです。
フィントアイゼン氏に
「日本の穂高で先生の講座を受けました。」
とあいさつすると、
「それは懐かしい。」
「もう40年もたったのだね。」
と感慨深げでした。
それにしても、80歳は優に過ぎているのに、
この明るさと生き生き感は驚くばかりです。
2023/6/15 井手芳弘