なかなか金色堂にたどり着きません。
途中の坂道が長いせいでしょうか?
それとも学びの道として、
学ぶことが多いいせいでしょうか。
とうとうPart3まで来てしまいました。
それほど、自己研修では学びがたくさんあるということです。
やっと、金色堂にたどり着きました。

輝いている建物が!
と思いきや、
コンクリートの大きな建物が2つ立っています。
大きい方の建物は宝物殿、
もう一つは金色堂が中に入っている建物です。
宝物殿の方で金色堂+宝物殿の入場料を払います。
中尊寺本堂では入場料を取られませんでした。
親切です。
チケットを持って、
隣の金色堂が入っているコンクリートの建物に向かいます。
建物の中に入ると、たくさんの人でいっぱいです。
ガラス張りされた向こう側に金色堂が建っています。
なんとも華奢な感じです。
どちらかというと控えめな輝きは、本物の証のようです。
多くの人が手を合わせてお参りしています。
ひっきりなしに金色堂について説明のアナウンスが流れています。
一番後ろに立って何度かそのアナウンスを聞きます。
アナウンスが終わるたびに、人が流れていきます。
しばらくすると外国の人たちの団体さんが入ってきました。
途端に英語のアナウンスが流れました。
親切です。
建物を出てしばらく歩くと、木造の大きな建物があり、
中で人が座っています。
「休息所なのかな?」
と入ってみると、
大きなモニターに映像が映されています。
金色堂を修復した様子が流れています。

とてつもない労力と技術の粋を集めて、
7年ほどかけて修復されたということが分かりました。
また、この建物は以前の覆堂(金色堂を覆っていた建物)のようです。
金色堂は建ってからしばらくはそのままだったようですが、
しばらくして覆堂が建てられたとのことです。
金色堂は完全にバラバラに修復し、組み立てられたようです。
また、金色堂の中には藤原氏3代のご遺体3体と
四代目泰衡公の首が実際に収められていることが分かりました。
不勉強でそんなことも知らずやってきていました。
うかつでした。
皆さんが手を合わせられるわけが分かりました。
知識を得て再び金色堂に引き返し、観察の続きです。
背景の壁は黒い色でうっすらと金箔の跡が残っています。
「なぜここは金箔が貼られなかったのか?」という問いが生まれました。
後で宝物殿に行って係の方に質問してみました。
すると、
「修復に当たって、
修復前の状態が分かる部分も残しておこう、との考えからです。」
との答えでした。
当時はもっと金ぴかだったようです。
興奮冷めやらぬ間に、側にあった白山神社の方に向かいました。
白山は以前登ったことがあるので親しみがあります。
行ってみると、そこには能舞台が併設されていました。
伊達家のテーマパーク構想の一部のようです。
<伊達家は伊達じゃない!>
ちなみに白山神社は中尊寺の守護神社だそうです。

神社の入口のところにカフェの看板が立っています。
つい、メニューを覗いてみると…
「あれ?!」
「神社エール?!」
「寺ミス?!」
神社とお寺のダジャレがそれぞれちりばめられています。
何とも似たところを感じてしまい、ニマッとしてしまいます。
これまでの厳しい学びで張りつめた気持ちが緩んでくるのを感じます。


何とも大変な学びでした。
気を緩めながら歩いていると池がありました。
木々の葉を透かした光が水面に反射してとてもきれいです。
今度は水面の観察です。
気が抜けません。
木の影になっている水面には青い空が映っていますが、
光が射している部分の水面は明るくなり、空を映しません。
それらの現象が相まって、とても神秘的な情景を作り出しています。
歩くと、映っている部分の空が移動して、
更に不思議さが増します。

もと来た道を返し、駐車場に着きます。
そこに木彫りの店があり、入ってみます。
仏像をはじめ、たくさん作品が並んでいます。
欄間を彫る修行を富山県の方でされたそうで、
欄間を持つ日本建築が少なくなったので仕事がないと言われていました。
昔は九州から楠の丸太をトラックで運んでもらっていたそうです。

帰りの道すがら弁慶松と書かれた看板が立った場所がありました。
どうも、弁慶はこの場所に葬られたようです。
義経が自害した場所は
ここからそれほど遠くない場所だということをあとから知りました。

夕暮れ近くなっても、相変わらずの暑さです。
東北に来ているということを忘れてしまいます。

電柱のないすっきりとした街並みを通り抜けると、
右側に、またもや大きな池がありました。
ここも、かつてこの世の極楽浄土を願って
京都の平等院のような建物が建てられていたようです。
今は水面にただ静かにさざ波が立っているだけです。


一日が終わりました。
お昼を食べていないことに気が付きました。
いつものことです。
平泉の駅前につきましたが、食堂は全部閉まっています。
おまけに、食料品店もありません。
グーグルマップで調べると、
2Kmほど離れたところにコンビニがありそうです。
「グーグルさんありがとう!」
最後から二番目の力を振り絞って、太陽の下を歩きます。
最後の力は宿に向かうことに残しておかなければいけません。
コンビニに着くと、隣はドラッグストアーです。
結局コンビニには寄らずに、ドラッグストアーで買い出しして次は宿です。
袋を下げながら歩いていると、空には楽しそうな雲が浮かんでいます。
おまけに彩雲で美しく輝いています。
「あそこは、さぞかし涼しくて快適なんだろうな~」
そう思いながら、荷物を置いては写真を撮ります。
彩雲は全く写りません。

へとへとになりながら宿に近づくと、空は彩雲のオンパレードです。
スマホで撮影してみますが色合いは写りません。

グールルマップの宿へのルートが道がないところで右に曲がっています。
???
なんと、広大な毛越寺の駐車場の中を歩いていくようです。
駐車場から階段を上がったところに宿はありました。
階段を上がると、美しい夕暮れの雲に変わっていました。
一日の最後は空からたくさんの祝福を受ました。
やはり、日ごろの行いがいいのだと思います。

宿に入ると誰もいません。
「部屋はどこ?」
「4号室だけど…」
「肆???」
「わかんね~」
「いくら由緒ある街だからって、こんな漢字使わんで欲しい!」
PS.
あとで、明日出発するバス停を探しに行きました。
グーグルマップでいくら探しても道路の側に見つかりません。
諦めかけて戻っていると、
なんと駐車場の中に!!
「わかんね~!」
2025/09/19 井手芳弘