90 羊飼い3   男の子は最後の一夜をエルサレムの近くの宿場であかした。 そこにはたくさんの宿屋があり夜遅くまで明かりがともり、通りには人通りが絶えなかった。 男の子は、通りに面した宿屋の軒下で横になった。

89 羊飼い2 男の子は、この羊をいつも連れて歩いた。 どこへ行くにもすぐ横で歩かせた。 周りの子どもたちは、 ただでさえ風変わりなこの少年を「いつも変な羊を連れている変なやつだ。」と囃し立てた。 そんな時はいつも、ただ

88 羊飼い1 今も時々その羊飼いのことを思い出すことがある。その羊飼いは、ずっと昔 今のエルサレムという国の田舎に住んでいた。 家は代々羊飼いの家系で、ずっと慎ましやかな生活を送っていたんだ。 お父さんも羊飼い、おじい